星を継ぐもの
![]() | 星を継ぐもの 池 央耿、ジェイムズ・P・ホーガン 他 (1980/05) 東京創元社 この商品の詳細を見る |
「SFってなんだかとっつきにくい」と思っているあなたに、今日はこの本を紹介しましょう。
科学の用語やら理論やら出てきても恐れることはありません。
サスペンスやミステリーが好きな人には、この話はぜひぜひおすすめのSF小説です。
「星を継ぐもの」
「ガニメデの優しい巨人」
「巨人たちの星」
以上の三部作のシリーズの一番最初の本ですが、この三冊はどれも面白い!
というか、全体でひとつの流れになっているので、一作目を読むと次がどうしても読みたくなってしまいます。
読むのを止められなくて、結局3冊かかえて、これまたうろうろ持ち歩くことに・・・。
(ホーガンはこの3作品の後、このシリーズでもう1冊出していますが、あまり面白くなかったので、紹介からはずさせてもらいました。)
月面の洞窟の中で、調査隊が宇宙服を着た人間の死体を発見した。その死体は『チャーリー』と名づけられ調査をしてみると、なんと5万年以上前に死んでいたことが明らかになる。体は明らかに地球の人間と同じなのに。
いったい何故?
彼はどこからきたのか?
どうして月面で死んでいたのか?
ここから地球と太陽系、そして銀河系へとひろがる壮大なストーリーが始まる。
ひとつ謎が解決すると次の疑問が生まれ、次から次へと話が展開して、最後は人類の未来へ向けて新しい歴史がはじまる。
「ずいぶんひやりとする場面もあったけれど、地球はついにやってのけたのよね」
「これで終わったような言い方じゃないか。これから、いよいよはじまるんだ」
「やっぱりハッピーエンドはいいなあ」としみじみ思うラスト近くのセリフです。
人間をとって喰うようなエイリアンも、はでな宇宙船同士の戦闘シーンもありません。
なのにハラハラするような場面もあり、人間同士の駆け引きや陰謀もあり、良質のミステリーであり、しかもエンターテインメント。
ややこしい科学的な言葉や理論は、ストーリーを追いかけているうちに、自然に必要な事だけは何となくわかってくるもんです。
登場人物も、主役のヴィクター・ハント博士やリン・ガーランド。
最初はハントの説に反対していたけれど後で仲間になるユニークで聡明なダンチェッカー博士。
コールドウェル部長や政治家やら諜報部の人間やらいろいろな人物が登場します。彼らの言葉のやり取りもけっこう楽しいのですが、私が大好きなのは・・・
コンピューターのヴィザーとゾラック!
ただのコンピューターじゃありません。
この二人(あえて彼らと呼ばせてもらいます)、彼らは、性格の良いたのもしいスーパー・コンピューターです。
こんなスーパー・コンピューターならあってもいいかな?人間と協力して自己進化をとげる自己学習型コンピューターなら。
なんて思わず思ってしまうくらい魅力的。
「2001年宇宙の旅」のコンピューターは私怖かったので、こういう設定のコンピューターが出るとほっとします。
書評などにはハードSFと書いてありますが私はあまりハードだとは思わなくて、どちらかと言えば読みやすいSFだと思いました。
この話のような未来に夢を持たせてくれるSFの話は、出来れば夢を持ちにくくなっている現代の若い人たちにこそ読んで欲しいと思うのですが。夢を持つ事が、進化や発展へつながるとダンチェッカー博士も中で言っています。私も本当にそう思います。
深夜に夜空の星を見上げながら遠い銀河に思いをはせ、本棚の中にある宇宙への旅を味わうのも、またロマンティックで楽しいものです。
2007/02/23 15:59|SF| Comment:(0)|Trackback:(1) |▲Top


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